ホームステージング
不動産を売却する際、一戸建て、マンションを問わず、見栄えを良くしたほうが早く、しかも高く売れる可能性が高まるのは言うまでもありません。そこに着目したサービスが「ホームステージング」です。不動産取引が活発化するなか、話題を集めています。
モデルルームのように部屋を演出
ホームステージングは、照明や家具、ちょっとした小物や鉢植えなどで室内を見栄えよくコーディネートするサービスです。物件の印象を高めることで早期売却や高値での売却の後押しをするもので、欧米では以前から一般的に行われてきました。中古市場が活発化してきた日本でも、近年にわかに注目を集めています。
住まいを売るときにお金をかけてホームステージングを実施する欧米に対して、日本では中古マンションを売りやすくするために始まったのが最初のようです。中古マンションの空室物件の室内を、新築マンションのモデルルームのように装飾したのが始まりでした。
インテリアコーディネーターなどがプロデュースを手掛け、部屋の雰囲気をアップさせる家具や調度品などを配置。家具などはもちろんレンタルです。中古マンションの室内を新築のモデルルームのように見せることで印象をアップさせ、「このマンションに住みたい」と買主様の気分を盛り上げていきます。
実際、ホームステージングを行うことによって、行わない物件よりも早く、高く売れる確率が高まるという調査データもあるようです。とはいえ、ホームステージングには数万円~数十万円と、それなりの費用がかかるのも事実。かけた費用分を回収するためには、それなりの価格の物件でないと割りが合わない可能性もあります。換言すれば、高額な物件ならやる価値は十分にあると言えるでしょう。
バーチャルのサービスも登場
ホームステージングには、住まいを実際に装飾するリアルなサービスと共に、3Dでメタバースのように部屋をバーチャルで表現するサービスも登場しています。リアルなホームステージングの場合、空室が前提ですから、居住中の物件ではやりようがありません。しかし、バーチャルなら平面図など住まいの寸法が正確にわかる書面があれば制作可能なのが特長です。
もちろん、リアルのほうがイメージが伝わりやすいのは事実です。しかし、バーチャルも技術は日々進化しており、驚くほど再現性や表現力が高いサービスも見受けられます。バーチャルでも買主様のイメージを喚起させることは十分可能になってきていると言えるでしょう。当然のことながらバーチャルのサービスは価格もお手頃で、数万円程度が相場です。
通常、売却物件の広告費用は専任媒介契約を結んだ不動産会社が負担します。しかし、ホームステージングの場合、費用を売主様と不動産会社のどちらが負担するのかは決められていません。現状は双方の話し合いによって決まると言えます。
最近では、不動産会社が他社との差別化の一環としてホームステージングの費用を「うちの会社が負担します!」とアピールするところも現れてきました。「うちの会社に任せてくれるなら、ホームステージングを施し、高く早く売れるように頑張ります!」というわけです。ただし、前述のようにホームステージングはそれなりの費用がかかりますから、こうした不動産会社が高額物件の取り扱いを目論んでいるのは明らかでしょう。
余談になりますが、バーチャルなホームステージングは売買物件だけでなく、賃貸物件にも利用できます。建物や部屋の概要は変わりませんから、1度作っておけば使いまわしができるのもメリット。イメージしやすいバーチャルのホームステージングなら、借主様に効果的なアピールができるため、早期契約実現の力強い味方になってくれそうです。これからの時代、主流にはなっていくかもしれません。
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