不動産の現金化までの期間
住まいを売却したとき、現金化できるタイミングはいつなのか。住宅ローンの完済や引越し費用、新居の購入資金など、お金の問題は最大の関心事だと思います。実は、現金化にもそれなりの手順を経ることが必要になります。そこで今回は、あらかじめ知っておきたい現金化までの道のりについてお話ししましょう。
売買代金は通常2回に分けて
不動産を売却して現金化できるタイミングは、結論から先に言えば、「売買契約書に明記されている通りのタイミング」というのが答えです。たとえば、契約書に、「3月15日手付金200万円、残代金が3800万円、引渡し5月30日まで」と記載されていれば、3月15日に200万円を、5月30日までに残りの3800万円が売主様に支払われることになります。
不動産売買の仲介契約の場合、総額を手付金と残代金の2回に分けて支払うようにするのが普通です。総額を3回に分け、途中のタイミングで「中間金」という名目で支払うやり方は、ハウスメーカーの注文住宅などでよく見られますが、仲介契約の場合、そのような取引事例はほとんどありません。
具体的なタイミングとしては、手付金が売主様に支払われるのは、売買契約の日になります。そして、手付金を除いた残代金が売主様に支払われるのは、最後の決済日、つまり物件を引き渡すタイミングです。したがって、売却する不動産が空室か否かでお金をもらえるタイミングが変わってきます。実際のところ、売買契約を交わした日から残代金もらえるまでにかかる期間は、空室の場合は1カ月〜1カ月半ほど、契約時にはまだ居住中だった場合は2カ月〜3カ月ほどかかるのが普通です。
売主様としては「住まいが売れるギリギリまで住んでいたい」、買主様としては「物件を購入したらすぐに住みたい」と考えているもの。お互いの都合をいかにして擦り合わせるかも売却成功の重要なポイントと言えます。
引き渡し時期により支払い日も異なる
不動産の引渡し時期は大切ですから、これに関する文言は物件の図面などに明記します。すでに空室ですぐに引き渡せる場合は『引渡し時期「即」』、引き渡すまでに時間が必要な場合は、『引き渡し時期:相談(2カ月)』、『引き渡し時期:相談(6カ月)』など、すぐわかるようにしておくわけです。
不動産会社の営業としては「契約しても引き渡しが6カ月も先の物件」は、なるべく早く住み始めたい買主様には紹介しづらいものです。引き渡しが6カ月以上先などになっている物件は、売主様が住み替えで、土地から注文住宅を建てたり、新築マンションを購入している場合が多くなります。そちらの引き渡しタイミングに合わせる必要があるため、お引き渡し時期がかなり先になっているというわけです。
不動産売却では、物件によって引き渡しのタイミングは大きく異なります。売主様が住み替えで、買主様は賃貸にお住いの場合、引き渡しのタイミングは売主様次第のケースがほとんどなので、比較的スムーズです。一方、買主様も持ち家物件からの住み替えの場合、話は変わってきます。買主様の物件が売れるタイミングも考慮する必要が出てくるため、売主様と買主様の双方のタイミングを合わせるのが非常に難しくなるからです。
そのため、買主様も住み替えだった場合には、不動産会社の営業は、なるべく空室物件を探し、買主様に気に入ってもらうのが基本になります。売却する物件は住宅ローンの残債を抱えており、抵当権を設定されているケースがほとんど。購入者様から物件の代金が支払われ、そのお金で住宅ローンを完済し、抵当権の抹消をすることでようやく物件を引き渡せる状態になります。
最初の質問に戻れば、住まいの売却で現金化に要する期間は、すでに空室の場合1カ月〜1カ月半ほど、それ以外の場合は2カ月〜3カ月ほどかかるのが普通です。スムーズな売却活動を実現するため、経験豊富な不動産会社に相談することをお勧めします。
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