ローンの残債が売却価格より多い
Q:売却価格よりローン残債の方が多そうですが、売れますか?
「2人めの子どもができたので住まいが手狭になった。住み替えたいけど、まだ住宅ローンが残っているし・・・。」こんなお悩みを抱える人は少なくありません。賃貸なら簡単に住み替えることができますが、戸建て・マンションをお持ちで、なおかつ、住宅ローンがまだ残っている場合はちょっと厄介です。
売却には住宅ローンの完済が必須
住宅ローン返済中の物件から別の物件に住み替えるためには、ローンの残債を完済して、債権者(この場合、住宅ローンを貸し付けている金融機関)が持つ抵当権を抹消してもらう必要があります。抵当権を抹消しないと、物件を売却することができないからです。
具体的なケースで説明しましょう。たとえば、Aさんは結婚してすぐに中古のマンションを購入したとします。住宅ローンで3,000万円の借り入れをしました。数年後、子どもが2人になり、55㎡のマンションでは手狭に。住み替えを考え始め、マンションを査定してみたところ、現在の相場は2,000万円程度になっていました。住宅ローンの残債はというと、まだ2,500万円残っています。住み替えるためにはどうすればいいのでしょう?
Aさんの場合、住み替えを実現するための方法は2つしかありません。まずひとつは、500万円の現金を工面することです。住宅ローンの残債が2,500万円あるのに対して、マンションの時価は2,000万円なので、完済には500万円が不足しているからです。
もうひとつの手段は、2,500万円の残債と住み替え先として考えている戸建ての代金3,000万円とを合わせて5,500万円のローンを組むこと。いわゆる「住み替えローン」を利用することです。ただし、このローンの場合、借入額が大きくなるため、利息や月々の返済額も跳ね上がるデメリットがあります。生活を圧迫するのは間違いないのであまりおすすめできる方法ではありませんし、ローンの審査も相当厳しくなっています。
売却と住み替えが成功する人の特長
Aさんほどの負担ではなく、少しの上乗せで済むのなら住み替えローンもありです。しかし、日々の生活や先行きを大きく犠牲にしてまで住み替えるのは、ちょっと考えものでしょう。実際、ローンがネックになり、住み替えを我慢している人たちはとても多くなっています。
参考までに、住宅ローンが残っている物件から住み替える手順は以下の通りです。まず、住宅ローンの残債を借り入れている金融機関に確認します。問い合わせればすぐに教えてくれるはずです。次に、不動産会社に住まいの査定を依頼します。そして、住宅ローンの残債といまの住まいの査定額を照らし合わせて、ローンが完済できるか否かを確認。いまの住まいの売却のメドが立つようなら、住み替えのための物件探しや住宅ローンのシミュレーションなど、具体化に向けて歩を進めていきます。
ちなみに、住み替えをスムーズに実現させている人には特長があります。それは、資産価値が高い物件を購入していたこと。特にマンションの場合、重要なのは立地です。中古でも駅近など立地の良いマンションは年数が経っても資産価値があまり下がりません。場所によっては資産価値が上がるところもあります。こうしたマンションを購入しておけば、いざ住み替えというときに、売却額がローンの残額を上回る「アンダーローン」の状況が期待できるわけです。
一方、住み替えに苦労するのは、不便な場所にある新築マンションを購入した人に目立ちます。立地があまり良くない新築マンションは資産価値の目減りが早く、ローンが減るスピードよりも早いため、マンションの売却額がローンの残債に満たない「オーバーローン」の状態を招いてしまうからです。
最初に購入する不動産は大事です。これから住まいを購入する皆さん、検討は慎重に。基本、不動産会社は「買いましょう」「売りましょう」と勧めてくる人たちだと思っておいてください。しかし、そんななかにも本当にお客様のことを考え、「いまは売らずに住み続けていたほうがいい」と冷静な判断を促すところもあるはず。不動産取引を成功させる秘訣は、そんな会社を見つけて相談相手として活用することにあります。
どんなことでもお気軽にお問い合わせください
☎︎0284-64-7248