不動産売却時に多いご相談(近くにゴミ屋敷がある)
Q:売却したい住まいの近くにゴミ屋敷があります。売れますか?
「住まいを売却したいけれど、近所にゴミ屋敷がある。影響は?」これは近年急増している相談です。自分に落ち度はない事柄ですが、売却に際して影響はあるのか否か。実際のところ、どうなのでしょう。
ゴミ屋敷解消に向けての行動が望ましい
実は、とある家の近所にゴミ屋敷があります。しかも、2軒。1軒は行政が指導しているのを見たことがあります。もう1軒は、少し離れた隣のブロックにあり、通り道ではないので、普段は目にすることがありません。ゴミ屋敷が点在している主な理由は地域の高齢化です。
その家は1990年代に売り出された分譲地にあり、当時働き盛りだった住民の多くは、定年を迎えた後ご高齢に。近年は新築の建売住宅も増え始めたので、若い世代も入ってきてはいます。しかし、築30年前後の家が多いため、独居になってしまったところも少なくありません。そうしたお宅の一部がゴミ屋敷へと姿を変えるわけです。
このように、高齢化が進んでいる分譲地に、ゴミ屋敷は自然発生的に存在しているはずです。不動産業者としての見解以前に、ひとりの住民として「ゴミ屋敷のとなりの家を買う人はいないだろうな」と思ってしまうのが正直なところです。となりはもちろん、自宅から見える範囲にゴミ屋敷があるのは決して良い気分はしないでしょう。
今回のご相談にお答えするなら、近隣にゴミ屋敷がある場合、もちろん売却は可能ですが、売却価格は相場より安くなってしまうケースがあります。理不尽ですが、近隣にゴミ屋敷があることで資産価値が下がってしまうわけです。加えて、購入希望のお客様は、物件の周辺情報をインターネットで検索し、実際に現地に足を運ぶ人も多いこともあり、隠すことができません。常日頃から行政に相談するなど、ゴミ屋敷解消に向けた、なんらかのアクションを起こすことをオススメします。
ゴミ屋敷を相続してしまったら・・・
では、相続した物件がゴミ屋敷だった場合はどうでしょう。ゴミ屋敷の「所有者」となるわけですから、面倒には違いありませんが、ご自身でさまざまな手立てが講じられるので、話はシンプルになります。
ゴミ屋敷の場合、建物はそのまま生かす場合も更地にする場合もゴミの撤去料や処分代金がかかります。建物を残すか、解体するかは売主様の判断により異なるためケースバイケースです。相続→即売却の場合、不動産業者に販売することが多くなります。いずれにしても、ゴミの撤去料などを踏まえることになるので、提示される買取価格は低めになることがほとんどです。
前述のように、高齢者が独居となり、しかも、そのお年寄りが頑固者なので、家族や親類縁者が寄り付かなくなってしまい・・・。というのが住まいのゴミ屋敷化の典型的なパターンと言えます。相続の可能性がある場合、こうした将来を見越して、ゴミ屋敷に至らないようにコミュニケーションを欠かさないなど、あらかじめなんらかの手立てを講じておくことが必要でしょう。ゴミ屋敷化を避けることが、有利な不動産取引に結実することも期待できるからです。
繰り返しになりますが、近隣にゴミ屋敷がある場合、早急に行政に相談し、是正してもらうことをオススメします。そのままの状態では、相場よりもかなり下げた金額で売りに出すケースが多くなってしまうからです。「どうしてもすぐに売らなければいけない」など、差し迫った事情がなければ、ゴミ屋敷の是正をお願いし、排除するために動いた上で売り出すべきです。大切な不動産を適正価格で売却するために、そうした労力は費やした方がいいでしょう。
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